フランチェスカのヨーロッパ旅

ヨーロッパ大好き!のナチュラル派トラベル・ジャーナリスト、フランチェスカのオフィシャルブログです。本物志向の方々に向けて、ヨーロッパの旅や食、ライフスタイルを独自の大人目線で発信します!

運命を変えたイタリア旅行

はじめまして。
ヨーロッパ大好き!ナチュラル派トラベル・ジャーナリストのフランチェスカです。

このほどご縁をいただき、この春から毎週日曜日のブランチタイム(11:00~12:55)に全国90あまりのFMコミュニティラジオで放送されている新番組『小山ジャネット愛子ボタニカ』のコーナー「Vita Deliziosa〜旅と食を楽しもう〜」に、時々ですが電話で生出演し、ヨーロッパの旅や食、ライフスタイルをご紹介させていただきます。

去る4月28日、平成最後の日曜日に初めて番組に電話出演をし、「私の運命を変えたイタリア旅行」のエピソードをご紹介させていただいたのですが、緊張と不慣れが重なり、時間内にうまくお話しできませんでしたので、自己紹介も兼ねて「令和」とともに新設したこちらのブログであらためてご紹介をさせていただきます。

 

私がジャーナリストになった理由

この仕事をしていると「なぜトラベル・ジャーナリストになったのか」という質問を時々いただくのですが、実は残念ながら最初からトラベル・ジャーナリストを目指していたわけではありません。
どちらかと言えば、気がついた時にはトラベル・ジャーナリストになっていたというか、トラベル・ジャーナリストにさせられていた、というのが正直な状況です。

とはいえ、私の父は一等航海士で、外国航路の船に乗っていました。現在、横浜港のシンボルになっている「氷川丸」もその一つで、海外旅行が自由化される前から異国の地を踏んでいた、数少ない日本人のひとりでもありました。今年1月に逝去された偉大なるジャーナリスト、兼高かおるさんとほぼ同じ時代です。

そうしたこともあってか、幼い頃から外国は身近に感じる存在で、異なる文化に対しても何ら抵抗なく、ごく自然に受け入れることができていました。そう考えると、海外を旅する仕事に就いたというのには、少しDNA的な要素もあるのかも知れません。

ですが、そんな中で私を運命を大きく転換させる出来事がありました。その舞台となったのが、番組でもお話しした「イタリア」です。 

 

ひとりで乗り込んだのは「マフィアの島」?!

初めてイタリアを訪れたのは、かれこれ35年前になります。その時は隣国がメインで、イタリアには立ち寄る程度だったのですが、その時に中世の面影が残る街角や、トスカーナの原風景に惚れ、いつか再訪しようと決意しました。
実現までに少々時間を要しましたが、その数年後にようやく1ヶ月かけてイタリアを旅する機会が得られたんです。イタリア南北縦断、女ひとりのぶらり旅です。

当時はSNSどころかインターネットもありませんでしたので、旅の情報源といえばガイドブックやテレビ番組が主流の時代。私はよく時間ができると、自宅にあった「ABC」という業務用の航空時刻表と、輸入版の「トーマスクック時刻表」を眺めて旅をイメージしたり、計画を立てていました。
この時のイタリア旅行も同じように計画。ホテルも自分で手配したので、旅行会社にはユーレイルパスと航空券だけお願いしました。

旅のスタートは、トーマスクックの時刻表でたまたま目に止まったシチリア島シチリアは今でこそイタリアの人気のデスティネーションの仲間入りをしていますが、当時は「シチリア=マフィア」という、とにかく危険なイメージしかありませんでした。

そんなシチリアの州都パレルモに深夜に降り立ち、たったひとりで旅をスタートさせたのですから、当時の自身の年齢や時代的な背景を考えると、かなりやんちゃな旅ではありました。

 

車内で「運命」の出会い

もともと行き当たりばったりの旅の予定でしたが、旅にハプニングは付きもの。到着後、わずか数日で意外なことが起こります。なんと、同じ列車に乗り合わせた年上のイタリア人女性に話しかけられ、突然彼女の自宅に誘われたんです。

当時、私のイタリア語は片言レベルでしたが、その前にスペイン語やフランス語も勉強していたので、彼女のいわんとすることは何となく理解できていました。とはいえ、さすがにホイホイと付いて行くわけにはいきません。

そこで、まずは言葉が理解できないそぶりで様子を見ていたのですが、それに気づいた彼女が、たまたま私が手に握っていたポケット版の英伊辞典をスッと取り上げて、辞書を引いて一語一語を私に指し示し、「私の家に来て欲しい」というのです。結局その場は、「後で電話をする」という形にして彼女の名前や住所、電話番号を教えてもらい、彼女は私より手前の駅でひとりで降りていきました。

その後、約束通り彼女の家に電話を入れたところ、彼女が私を自宅に招こうとした明確な理由が判ったので、再び列車に乗り込み、彼女の住む町に向かったんです。
テレビなら画面に「良い子は絶対にマネしないでください」という文字が出てきそうな状況ですね(笑)


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私の第2の故郷となったシチリア島の「エトナ山」

 

 イタリアの一般家庭に突然のホームスティ

非常に話が複雑で長くなってしまいますので、細かい部分については割愛しますが、当初は食事だけだろうと思っていたものの、「宿も決まっていないなら、せっかくだから泊まっていきなさい」と誘われ、結果的に4日間、彼女の家に滞在することとなりました。

わずか数日の出来事でしたが、お互いにすっかり打ち解け、すっかり情もうつった状態でしたが、泣く泣く彼女とその家族に別れを告げ、私は北を目指し旅を続けました。

1ヶ月にわたる旅を終えて、無事に帰国したのもつかの間。イタリアでの時間が刺激的すぎて、今でいうところの「イタリア・ロス状態」に陥ってしまったんです。そんな中、毎週のようにシチリアから届く「いつ帰ってくるんだ」というエアメール。イタリア抜きの生活に耐えきれなくなった私は、その後まもなく、まるでネコ🐈のようにシチリアに住みついていました(笑)

以来、日本とイタリア、そしてヨーロッパを行き来するようになりました。もちろん、シチリアで世話になった彼女の家族や、その経過の中で知り合った友人家族とのお付き合いは今も続いていて、シチリアへ戻ると私の大好物をたくさん揃え、まるで実の娘のように迎えてくれるので本当にありがたいです。

その後、トスカーナでの留学期間を経て日本に再帰国。観光関連の仕事にいくつか従事しましたが、その時に構築されたネットワークに導かれるまま職を転々としているうちに、トラベル・ジャーナリストになっていました。

こういう話をしておいて何ですが、私は小さい頃から人見知りが激しくて、警戒心もものすごく強いタイプ。そんな私を変えたのがイタリアという国と、好奇心が旺盛で包容力のあるシチリア島の人々した。

 

旅に必要なのは「ほんの少しの勇気」

旅には様々な楽しみ方があって「これをしなければならない」と言うことはありません。ただ、海外で異なる文化や環境の中により深く身を置くことで、日本や自分を取り巻く生活環境、さらには己の心の中までを普段とは違った視点でみることができますし、時に自分の中の意外な盲点が見つかることもあります。

そのために必要なのは、一歩外に踏み出そうとする「ほんの少しの勇気」。もちろん、身の安全は第一ですが、お話ししたような自身の経験からも、新しい世界に刺激を受けて開ける道もあるかと思いますので、ひとりでも多くの方、特に若い方にはどんどん世界を旅していただきたいと思っています。

私たちトラベル・ジャーナリストはもちろん、各国の大使館や政府観光局も、そうした皆さんの旅のきっかけ作りとなるよう、様々なチャンネルを通じてたくさんの情報を提供しています。このブログをご覧になられた皆さまにも、そうした情報をどんどんキャッチアップして、旅に出ていただけたら嬉しいです。

 

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最後にラジオ番組『小山ジャネット愛子 Botanica』のご紹介です。次の出演日が確定しましたら、こちらからもお知らせいたします。どうぞよろしくお願いいたします。 

☞ 番組紹介『小山ジャネット愛子 Botanica』
パーソナリティの小山ジャネット愛子さんが、美・食・旅をテーマに自分らしく生きる女性のためのライフスタイルを提案する 2019年4月7日スタートの新ラジオ番組です。
素敵な番組ですので、ぜひサンデーブランチと一緒にお楽しみください。

放送日:毎週日曜 11:00〜12:55 生放送

放送局:全国のコミュニティFMラジオ90局あまりでオンエア


長くなりましたが、最後までご覧くださりありがとうございました!