ベルギー・ワロン地方の美味しい村
フランス、イタリア、スペイン・・・ ヨーロッパには「美食」を観光の旗印に掲げる国がたくさんありますが、真のグルマンたちが一目置く「美食の王国」で忘れてはならないのがベルギー!
ということで、今月の「Vita Deliziosa 〜旅と食を楽しもう〜」は、真のグルマンたちが一目置く美食の王国ベルギーの「食」と「村」に焦点を当て、南部のワロン地方に点在する美食の村や郷土料理についてご紹介しました。
グルマンたちが一目置く「美食の王国」
EUやNATOの本部がある首都ブリュッセルを境に、大きく北のフランダース地方と南のワロン地方に分かれるベルギーは、地域によりオランダ語、フランス語、ドイツ語と公用語も異なります。
今や日本でも大人気のベルギー」の名を冠したビールやチョコレート、そしてワッフルなどでお馴染みの国ベルギーは、古くからグルマンの間では言わずと知れた「美食の王国」で、この国の美食スポットは、ブリュッセルなどの中心都市から小さな村まで、ベルギー全土に点在しています。
ワロンの最も美しい村
そんな美食の王国ベルギーには「美しい村」がたくさん点在しています。特に自然が豊かな南のワロン地方では、数ある村の中から24ヶ所が「ワロンの最も美しい村」として登録されています。
単に「村」といっても、地方によってそれぞれ違った特色があって、その土地の特産に触れたり味わったりしながら、美食と美しい村を組み合わせた「スローな旅」を楽しむには、ベルギーのワロン地方はまさに理想的な旅先と言えます。
天皇陛下も訪れた「グルメの里」
そうしたベルギーの小さな町や村の中で、特に「グルメの里」として有名なのが、天皇陛下も皇太子時代に雅子さまとお二人で訪問されたデュルビュイですね。
ここは緑深いウルト渓谷にすっぽり包まれた、まるで絵本から飛び出したような町で、人口は500人足らず。「世界で一番小さな町」と呼ばれています。なのに人口の割に高級レストランやホテルが多く、本格的なアルデンヌ料理がカジュアルに堪能できます。
中でも有名なホテルレストランと言えば、天皇陛下もご宿泊され、イノシシ料理を堪能されたという老舗ホテル「ル・サングリエ・デザルデンヌ」。ここは美味しいジビエ料理で定評があります。
知る人ぞ知る本格グルメの村「ロシュオー」
そんな「グルメの里」を差し置いて、私がほれ込んだ美食の村がロシュオー村。
アルデンヌの森の中にポッコリと現れる小さな村で、フランスの国境に程近いブイヨンからは直線にして16キロの距離にあります。
この村にあるオーベルジュのガストロノミーレストランは地元でも知る人ぞ知る、真のグルマンが集まってくる美食レストランで、絶品料理が驚きの価格で堪能できます。
昼間、宿にはほとんど人の姿がないのに、レストランの店内はほぼ満席。みんな地産地消のご馳走を味わいに近郊から車で集まっていらっしゃるんですね。
ドレスコードもないカジュアルなダイニングですが、味とサービスは本格的。まるで貴族の館のディナーパーティーに招かれたような雰囲気です。
このオーベルジュの美食を体験すると、あのデュルビュイの名店さえも霞んで見えてしまうほどです。
朝食ビュッフェも充実していて、日本では高価でなかなかお目にかかれないチーズが並んでいることも。ベルギーの朝食ビュッフェにはホットチョコレートもあるので、ぜひ味わってみていただきたいですね。
観光ポイントやオススメは?
小さな村なので観光ポイントといえば、オーベルジュの牧場やチューチュートレイン、小さな教会くらい。ホテルや旅行会社に車の手配をお願いするか、レンタカーの旅であればブイヨン城や、楽器のサックスフォーン発祥の地ディナンなどにも足を運べます。
ですが、とにかく自然が豊かなので、オーベルジュで時間を過ごすのもオススメ。私はジャグジーとテラス付きの部屋を選んで、昼間は鳥の鳴き声をバックミュージックにそよ風に吹かれながら読書をしたり、村から一望できる隣のフラアン村まで散歩したり、オーベルジュが経営するブラッセリ‐で地ビールを味わったりしながら、時間を過ごしました。
とにかく多いベルギーの郷土料理
長い歴史の中で豊かな食文化が育まれたベルギーでは、伝統的な郷土料理がたくさん。「フレンチフライ」の呼び名でお馴染みのフライドポテト「フリッツ」は、実はベルギー発祥であることはあまり知られていません。 「芽キャベツ」はベルギー原産の冬野菜ですし、「アンディーヴ」もベルギーの特産品です。
その他にも、「マリニエール風」や「白ワイン蒸し」など味付けも様々な、鍋一杯に盛られた圧巻の「ムール貝」や、砕いたゆで卵をバターで和えた「フランドル風」のソースで味わうホワイト アスパラガス、北海でとれる灰色の小エビ「クルヴェット・グリーズ」を使った「小エビのコロッケ」や「トマト・オ・クルヴェット」など、その数を挙げれば切りがありません。
新型コロナを経験し「密」を避ける人が増える中、観光客が少ないヨーロッパの小さな村にある隠れ家的な美食スポットは、これからの旅先として注目を集めることでしょう。
今回はベルギーのワロン地方にスポットを当ててご紹介しましたが、ベルギーには他にも美味しいものがありますので、またご紹介できればと思います。
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FMラジオ番組『小山ジャネット愛子 Botanica』は月1回(第3週)、12時30分頃から「Vita Deliziosa 〜旅と食を楽しもう〜」のコーナーに’ゲスト出演し、ヨーロッパの旅の情報をご紹介しております。
次回は7月19日(日)の予定です。引き続きよろしくお願いいたします。
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